弥勒山の魅力とはなんだろう

空と雲と山歩き>森歩き>弥勒山の魅力

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人との縁は不思議だ。
森林インストラクターの蒲郡の先輩がとあるセミナーを紹介してくれた。
そのセミナーで犬山の中国語のガイドさんと知り合った。
犬山ガイドさんが春日井市役所を訪問する機会があって、「弥勒山」をよく歩く私を紹介してくれた。
春日井市に「弥勒山」をもっと世に売り出すという企画があったので、たまたまの私に連絡がきた。
そして、春日井市緑化植物園に集合して弥勒山をご案内することとなり、今ここにいる。
「風が吹けば・・・桶屋が儲かる」風!? 儲かってはいないから違うな(笑)

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なにせ、皆さん このお山を知ろうと、知識への貪欲さがすごい。
「桐」の説明一つも、なぜここに自生しているのか、なぜ生長すピートが早いのか、桐紋と内閣総理大臣との関係とか・・・適当に話しているのだか、皆さんメモを持って聞いて下さる。
こちらは「適度」に話しているので、時には間違ったことも勢いで話すかもしてないのに、メモられると・・・緊張する。 
桐という樹木は、高級な桐箪笥をイメージするので貴重の樹木のようだが、実は山では普通に自生している。
なにも珍しくはない。でも、その事は意外に知られていない。このお山にあるのは、そんな「普通」がほとんど。
その普通に「自然の不思議」がたくさんある。

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大きな葉っぱの「トチノキ」、リズミカルな新芽を出す「ウラジロシダ」。
山ではよく見かける植物だが、なぜ葉っぱが大きいのか、なぜ裏が白いのか、どうしてここに自生しているのか・・・そんな事を知ると
生きる知恵がそこには溢れている。
なにせ5億年前に陸上に進出して、変化と進化を繰り返して生き抜いてきた植物は、動物より歴史が長い。
それも、動物と違い「動かない選択」をしてここまで生き延びてきた。
当然に、その生存戦略は知るに値する知恵がある。
老木が倒れて、太陽光が森に差し込むと真っ先に芽をだしてぐんぐる育つのはアカメガシワという樹木。
種の状態で100年程度は生存でき、自分が生きるチャンスをじっと待っている。
動くエネルギーが必要な動物にはとても太刀打ちできない。長期戦略。
そんなことを知れば知るほど、「なるほど」「へえ」とか思っていただければ、この里山を歩く価値がある
課題はそれをどうやって伝えるか

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地質や地形は、更にハードルが高い。一般的には地味で面白くない。
地質図を見ると色とりどりに層状になっているが、これは一億年以上前から太平洋の東端からプレートが様々な降下物を乗せて、日本付近で沈み込む際にはがれた表層である「付加体」がほとんど。
地質や岩石の一つ一つは小難しいいが、岩を見て縞々になっているのはそんな理由か!と分かれば
思わず「ガッテン」と思わないか。あの番組は終わったか(笑)
地形も、展望地から濃尾平野を鳥瞰しながら、どうやってできたのか、どうして濃尾平野の川は西へと傾いて流れるのか。
そんな事を知ると、やはり「なるほど」「へえ」とか思っていただけるのでは。

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でも、実は、普通の「自然の不思議」以外に、大きく宣伝できるここだけの魅力はある!
このお山の麓、築水池の南「西の谷」にある「シデコブシ」の群落
シデコブシというのはモクレン科の美しい花を咲かせる樹木。東海丘陵要素植物群という名称で、中部地方の一部にしか自生してない植物群の一つ。
500万年前に東海湖があった頃から、自生しているという、歴史ロマンあるれる樹木。最近の学説では東海湖はないらしいが…水辺はあったはず。
なにより美しい。 白ベースで、時に淡いピンクい優美で艶めかしさすら感じる花弁が麗しい
この樹木が谷に100本以上自生しており、春の満開の頃は、見事。
これは観光資源としても、学術研究資源としてももっとアピールすればよいのではと思う次第。
まだまだ人に知られていないので、「秘密の花園」と勝手に呼んでいる(笑)

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もう一つ、ハイカーに知らしめているのが、山頂からの展望。これは絶景
北東に御嶽、中央アルプス、真北に白山、北西に美濃の山々・・・南東にどでかい濃尾平野と伊吹山・鈴鹿山脈という大展望が開ける。

でも、マニアックな私のおすすめは「夕日」
天気の良い日、空が茜色に染まり、濃尾平野や見渡す山々も暮れなずむ。
夕日は、冬なら御在所に夏なら伊吹山辺りに沈むその景観は、その色の変化と相まって「美しい」。
ただ、山頂で夕日を沈むのを眺めていると、下りは暗闇になるので、ヘッドライトは必須となる。
山頂までリフトがあるわけでもないので、これを観光資源とするのは現実を考えるとちょっと難しい。
春日井市の方も苦笑い。

たくさんの人を呼ぶには魅力がいる。
このお山にあっと驚くような特別な魅力はないが、一般に言われる「里山の魅力」はたくさんある
幸いにも、ここはアプローチが良い。その地の利を生かして、「里山代表としてアピール」をするのも手だ。
・もうちょっと歩きやすくして、自然の魅力・知られていない魅力を「わかりやすく説明する」看板を立てる。上高地などにはよくある。
・YAMAP(ヤマップ)とコラボして、GPSxデジタル地図を駆使、その地点でタップすると説明が流れる・・・とか今時かも。
・SDGsや環境保全を全面に出して、山歩き前に植物園で解説映像を流してから山に入っていただくなんてのはどうか。ヨセミテとかハナウマ湾などにある。
勝手な妄想ばかりが膨らむ(笑)

そんな妄想も、春日井市経済振興課の方々からのアプローチがあったから。このお山の魅力を考える貴重なお時間をいただいた、ありがたい。
特に、写真のご提供だけでなく、真摯にガイド方法へのアドバイスまでいただけたMUFGのコンサルタントのTさんには、感謝しかない。
このご恩返しは、多くの人に魅力を伝えること、新たな魅力を再発見を情報発信して、一人でも多くのファンを作ること・・・と密かに心の中に誓っている。
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2022年5月14日[山歩き日] 5月22日[記] 6月10日[改]

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