モニターツアー体感

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愛知県が『あいち「ツウ」リズム推進事業』の一貫で「プロフェッショナルガイド育成オンラインセミナー」をやると、森林インストラクターの先輩が教えてくれた♪
セミナーは6回、週末に見逃し配信で受講。心構え、魅力的なツアー構成、人を惹きつけるポイント、関連の法律知識など・・・どれもとても為になる。
実地研修やモニターツアーをやるので企画書を出してというので、“適度に”提出したら、選ばれた! 
幸か不幸か・・・選ばれてしまった・・・いや、選んで頂いた! 本人と話したこともないのに企画書だけで選ぶなんて・・・ (どういうこっちゃ!)
選ばれたなら、舞台は、ホームグラウンドの「みろくの森」に決まっている。
麓に植物園、標高400m程度の低山、自然林が残り、文化の香りも少しする 愛(いと)しの里山だ。
企画書のタイトルは『自然の「なぜ?」を考える一歩進んだ山歩き』、山や川はどうやって出来るのか、葉っぱは花は「なぜ?」あんな色や形なのか・・・なぜなぜを楽しく考えながらの山歩き。
副題に「山頂から濃尾平野を眺め、愛知100万年の歴史を解説します」とキャッチ―なサブタイトルを付ける。
ターゲットは普段、山歩きをしていて、山の不思議に興味を持ち始めた方々。ありそうでなさそうなこんな企画、これは行けるでしょ!っ(笑)

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企画書は"いい加減"だったので、具体案は真面目に詰めた。 (当たり前やろ)
昼飯は展望の良い山頂だな、上りはゆっくり歩いて地形や植物の話やクイズをしよう、立ち止まる事もあるので広い道を選ぼう。
下りは、ある程度の自然の事を理解して頂いた前提で、うだうだ話さずに自然の中をゆっくり歩こう、風と緑の音、鳥のさえずり、谷川のせせらぎ、森林浴をしながら楽しく下山・・・
我ながらなかなか良い。 (伊達に長年山を歩いてないわな)

下見も2週間前に実施。スタートで自己紹介、登山口でコース解説、地図も渡そう。地図の見方をどうやって説明するかやめとくか。 (昔、失敗してるやん)
話題にする植物と場所を確認、カエデの紅葉はこれを使おう、ここに桐があるな、この赤い実を使えるな、ドングリはこれね。
地形地質は難しい、山頂からの展望でアルプスと濃尾平野の成立ちの説明がメインね、この谷で浸食谷の説明、この岩で堆積岩、最後に大理石で締めるっと、
やっぱり、植物は五感で楽しんでもらおう、この葉っぱを触る、これは匂う、これは見る、食べれる実がないな・・・まあ仕方がない。
一つ一つをどうやって解説するか、どんなクイズを出すか、どうやったた興味を持ってもらうか、聞きたいことをどう探るか、一人でぶつぶついいながら山を歩く。
すれ違う人は不審者扱い。 (そこのお母さん子供を遠ざけんといてんか)
そうだ、説明は紙でなく、ペーパーレスでタブレットを使おう。目指せスマートガイド! 奥様から奪い取る(笑)
植物には現物があるが、地形や地質は時間を語るので、地図や地形図をタブレットで用意しよう。
植物の光合成の話になると地球温暖化に話が展開するので、ミランコビッチサイクルもいるかな? ちょっとマニアックだな。
とかなんとかで、データをたくさんタブレットにぶち込む。そうそう、最初の自己紹介でアイスブレイキングせなあかんな、最後のまとめはどうするかな・・・もう寝る。

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使うツール。基本は口頭で双方向コミュニケーション、補足説明で「タブレット」、遠くの物は「差し棒」、近くの拡大に「虫メガネ」とっ。
山歩き用のアプリ「ヤマップ」も用意と。タブレットのデータはなんだかんだで30になった。(やっぱり、タブレットを使うのはグッドアイデアや)

そんなこんなで、準備が整ってくる。数日前に、セミナーを主導いただいている「KNOT WORLD」の佐々木様から連絡があった。
「天気はよさそうですね。出席者は合計6名です。よろしくお願いします」とのメール。
出席者は佐々木様(ご本人)!、愛知県の観光振興課の方、リクルート エリアプロデューサー、セミナーの参加者二人(なんらかのガイド経験者に違いない)と森林インストラクターの先輩
これは・・・ちょっと困ったぞ。(これは、反則やで、みんなプロやんけ〜〜!)

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当日は、曇り空。 (ギョエー、山頂からの展望企画がボシャってしもた〜!)
植物園をゆっくり歩きながら、植物の基本知識、広葉樹と針葉樹、落葉樹と常緑樹の説明。なぜ「落葉樹は落葉するのでしょう?」クイズ・・・そして正解・・・「なるほどね」の声・・・ (順調やないか〜〜)
タラヨウという葉っぱには字が書けて「葉に書く=葉書」の語源であることの解説・・・「なるほど!!!」・・・(ヨッシャー完璧!笑)
登山口で、地図を配ってコースを説明、タブレット登場! さっそうと説明を始めると、「光があたって見えません」の声、ムムなるほど 外では光が反射して見えない・・・(千尋の谷底に落ちる 泣)

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かように、上手くいった、下手こいた を繰り返し。
想定外で困ったのは、2週間前と違い紅葉が無かった事、天気が曇りで大展望が見れなかった事、山頂に人が大混雑で説明がまともにできなかったこ事、なによりタブレットが使えなかった事。
想定外で良かったのは、シデ(四手)の実があって美しく散らせた事、山頂でなく手前の東屋で昼食出来た事、なにより参加者の皆さんの反応が良かった事。
企画して出来なかった事は結果表にて赤字&取り消し線で記録として残す。(出来なかった事が一杯でかなしゅうなる)
最大の反省点は、チームビルディングとエンディングを失念したいた事(こら、あかん)、細かい工程の説明や山歩きに不慣れな人への配慮欠如。

とても良かったのは、皆さまからにこやかに「楽しかった!」と言ってもらった事。なによりこれはうれしい、コンテンツは間違ってなかったんだなと確信した。

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後日、佐々木様から評価をいただいた。 的確に良い処と悪い処をいただいた。
参加者が今日は良かったと思ってもらう、楽しい思い出をつくってもらう、その為のテクニックも多数教えてもらった。
有料のガイドの育成のセミナー、モニターツアー、お金をいただく限りは「ゲストが満足する」ツアーであらねばならない事、コンテンツだけではダメな事を学んだ。
将来、これらの学びを全て活かし、付加価値あるガイドに向かって精進しよう。いつか、あの人と行くと楽しかったと記憶に残るガイドになろう。
つたないツアーに参加して、暖かい叱咤激励をいただいた方々に感謝。

2021年12月12日[イベント日] 12月18日[記]

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