東海丘陵要素

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■フモトミズナラの生える森inモリコロパーク(FAI)■
東海丘陵要素の植物群のおもしろさ


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2018年11月10日、愛知県公園、愛知海上の森フォーラムとの連携行事「フモトミズナラの生える森」にガイドとして参加しました。
参加者は11名、三班に分けて、2時間かけて10種の樹木の解説をするイベント。
まだまだサポーターでしたが、ゆっくり歩いてゆっくり説明できて、説明する側も楽しめました。

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主題は、東海群層というこの地、固有の地層に生きる「東海丘陵要素の植物群」について。
さて、
時は600万年前…古い(笑) 現在の濃尾平野から伊良湖にかけて大きな湖がありました。
何百万年も経て、この湖は100万年前に西北に移動しつつ消滅します。東側から圧力がかかり隆起して、湖は追いやられたのです。
その湖の東側には、湖の攪乱や河川からの花崗岩質の流入により、貧栄養性の粘土層,珪砂層などが堆積します。
それが「東海層群」の地層、その地に生えるのが東海丘陵要素の植物です。(たぶん...)

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ちなみに、
ちょっと遅れて、今の伊賀地方には古琵琶湖があった。徐々に北西へ移動して現在の琵琶湖があるそうだ。

濃尾平野は今も東側が隆起して、西に行くほど低くなっていているが故に、
木曽三河も飛騨や美濃から平野に出たとたんに西側へ流れを変えることになるわけです。
濃尾平野の西側は河川の土砂が堆積して、東海層群は何千mも埋まってしまっているので、見ることができない。
何百年ものこの大地のダイナミズムは、いまも続いている。

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その東海丘陵要素植物の代表格が、「フモトミズナラ」です。ブナ科コナラ属。
低地(麓)に生えるミズナラという意味、だが、貧栄養地でも生きていける。
特徴を文字で言えば、葉っぱがより幅広で鋸歯が鈍く、葉柄が短い。
写真の通りに、ちょっと大きいが、かわいい。
見たことないが、根っこは横に広がり、なるべく多くの水分を取ろうとしているらしい。
これも、貧栄養地でいきていく植物の生存戦略。

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もうひとつ、ハナノキ、カエデ属カエデ科。愛知県の県木。
真っ赤な花をさかせ、木全体が花のようにあでやかになる。ハナカエデと呼ばれる。
岐阜や愛知の木曽川水系の山間湿地に生える…これも東海丘陵要素の樹木。

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ほかにも、シデコブシやシラタマホシクサ、ミカワシオガマなど多種にわたる。
個人的にはシデコブシの花が、花の形や咲き方が古代風な感じがして好きですが…(写真@みろくの森)

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それぞれに固有の進化を遂げ、たいへん興味深い。

今回は、それ以外にもやせ地で生きていける樹種も取り上げた。
ヤシャブシ、ソヨゴ、リョウブ、アカマツ… どれも個性的な戦力を持っている。
ヤシャブシに至っては、窒素を地中に取り込めるバクテリアと共生して地面に栄養を作って生きていくという! 

植物の進化は…、生物の進化と環境への適応力は驚くべし!!
東海丘陵要素の植物、つまり、何百万年の大地の動きと連動した地形や地質の変化、それに連なる植生の変遷と生きる戦略は、最も興味深い分野だ。

2018年11月11日 [記]


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